2011/7/30の演劇
- 今回は、歌舞伎へのオマージュと感じられた演劇。
- 舞台は、高さが3段あり、花道を2本用意して、縦横高さと広く使って、ダイナミックな動きである。実際、俳優が走り回ると世界が広がるのだ。特に一番高いところは、下からのアクセスや、舞台の袖にも脱けられるようになっていて、良い意味での広がり感を堪能できた。
- ストーリーも、天国地獄、恋愛ものと絡めて、テンポ良いし、飽きさせないのだ。殺陣も、がんばっているなー。それに台詞や演技も、いろいろな歌舞伎の演目から持ってきている。番長皿屋敷、女油地獄や白波五人男など。
- ピースピットというのか、舞台中央で、走る演技もあり、音楽も効果的に使っている。
- でも、なんだか、しっくりこない。
- 理由はわかっている。歌舞伎独特の見得が、しっくりこないのだ。
- 歌舞伎の場合、ある決まった動きがある。演技が盛り上がったり、注目を集めたいときに、細かな動きではなく、デフォルメされた大きくゆっくりした演技から、すーっと止めて見得を切るのだが、今回は、動きが静止しないのだ。細かい動きのまま、デフォルメされた動きにつながり、そのまま演技が流れていく。
- 見得は、静と動をうまくミックスさせるのであるが、そのミックスが上手くできていないように思える。
- 但し、意図的にそういう効果を狙っているのかもしれないが、歌舞伎の見得が好きな私にとっては、ちょっと気がかりである。
- 個人的には、中村真利亜さんがいいのだな。